イカットと出会う

以前から民芸などに興味があり知っていたのですが、

インドネシアには伝統の布製品が沢山あります。

イカットはインドネシア各地で織られている織物で、

縦織りで複雑に編まれた作品は日本の古い織物に通じる気がして、

作品を見るたびに懐かしく感じていました。

今回のバリ島旅行ではそんなイカットの工房に行ってみました。

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決して広くなく、冷房も無いこの工房で作業しているのはスンバ出身のイブリカさん。

僕と同じように作家として生活している彼女ですが、

けっして生活が豊かな訳ではなく、この家で20人近い家族親戚と暮らしています。

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イカットとはインドネシア語で「縛る」の意味です。

テープなどの不染色物で、糸を10本づつ縛って縦糸に柄をつけたものを

上の写真の機織りで織って行きます。

糸も紡ぐところからはじめて、天然の染料で染めている昔ながらの作り方でやっています。

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それ故に現代の機械織りの製品に押されてしまい、

コストがかさむイブリカさんの作品は売れなくなってきているそうです。

伝統も大事、生活も大事、

イブリカさんの機織りが続く事も願いつつ作品をひとつ買いました。

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スンバイカットはその部族に関わる物語で出来ています、

ココにはエビとトカゲとリャマと鶏が描かれていてそれらは家畜、

馬に乗った人は部族の長で、ペガサスは幸運を運んでくる動物だと言う事でした。

きっとペガサスなどは伝統のものではなく現代のエッセンスをイブリカさんが織り込んだのでしょう、しかし天然の染料と伝統的な織り方がなんだか僕には強い作意として面白いモチーフだったので、購入しましたがいかがですか?

そういう素敵な作品を、僕も作って行きたいと刺激を受けました。

またイブリカさんのいるサヌールの工房に会いに行きたいと思っています。

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